校長室から全校生徒の皆さんに発信します ♪
校長室より令和8年(2026年)「1月前半」の鳩高生への応援メッセージ
あと一歩だけ、前に進もう!
鳩高生のみなさん、新年明けましておめでとうございます。校長の田中です。みなさんにとって高校生活の最終コーナーと言ってよい3学期を迎えました。2学期終業式にも話しましたが、体調管理、怠ることなく学校生活を送ってください。
さて、いつの頃からだったか、みなさんが頑張っているところ、授業中勉強に、体育祭に、文化的行事に、モルック に、・・・、何かに一生懸命、取り組んでいる姿を見ていると時々、私の頭の中で「スガシカオのProgress」のイントロが流れ始めます。
“ジャジャジャン ジャジャジャン ・・・” “ぼくらは位置について 横一列でスタートをきった ・・・”。
スガシカオというシンガーソングライターは、結構な苦労人で歌手として軌道に乗るまでは経済的に困窮していたといいます。おかずがなくて窮し、一度、「ご飯に胃薬をかけて食べた」という強烈なエピソードがあります。続けて「あまりのまずさにすぐ吐き出した」とテレビ等で告白しています。そんな過去をもつスガシカオのProgressは、NHKのドキュメンタリー番組、「プロフェッショナル仕事の流儀」のテーマ曲として一世を風靡し、今なお番組が放映されるたびに輝きを放っています。多くの生徒のみなさんは聞いたことがあるのではないかと思いますが、「聞いたことがない!」という人は、今すぐ、「スガシカオ Progress」でググってみましょう!YouTubeで聴くことができます。
上記に続く歌詞は、「つまずいているあいつのことを見て、本当はシメシメと思っていた」と続いていきますが、私がみなさんのテーマ曲として推したいのは、そこではなくもう少し先です。
“ずっと探していた 理想の自分って もうちょっとカッコよかったけれど ぼくが歩いてきた 日々と道のりを ほんとは“ジブン”っていうらしい”
“ぼくらがユメ見たのって 誰かと同じ色の未来じゃない 誰も知らない世界へ向かっていく勇気を“ミライ”っていうらしい”
“あと一歩だけ、前に 進もう”
これはみなさん鳩高生だけではなく全ての高校生が、いや、すべての人が、これまでの人生を振り返って背中を押してもらえるものだと思っています。誰もが、思った通りの理想的な小中高時代を歩んできたわけではないと思います。仮に周囲の誰もが羨むような経歴を歩んできたと思われる人であっても、その人なりの悩みや苦しみがあり、今があるのだと思います。そういう“自分が歩いてきた 日々と道のりを ほんとは“ジブン”っていうらしい”など、ストレートに勇気をもらえるメッセージではありませんか?
また、みなさんが卒業して迎える4月は、楽しみばかりではなく、言い知れぬ不安もあると思います。そんなみなさんに、“誰も知らない世界へ向かっていく勇気を“ミライ”っていうらしい”というスガシカオという才能のかたまりのような人のメッセージは、何かワクワクしませんか?
だからこそ私はスガシカオからこのメッセージを拝借して鳩高生に伝えたい!
★★★ “あと一歩だけ、前に 進もう!” ★★★
追伸
次回、1月後半の応援メッセージは、1月19日(月)にアップします。このホームページで会いましょう。
校長室より「12月後半」鳩高生への応援メッセージ
ジャンプして卒業するために
みなさん、こんにちは。校長の田中です。気づけば12月も中旬、もうすぐ新年ですね。2学期の終業式まで1週間余りとなりましたが、体調は整っていますか?年度当初から高校生活最後の・・・という年でしたが、いよいよ実感をもってしめくくりを迎えます。そのような時期ですから体調管理はもちろん、勉強面での不安が無い状態で新しい年を迎えてほしいところですが、まだまだ山あり谷ありかもしれません。一人ひとり、目の前の自分の課題にしっかりと取り組んでください。
これから進路実現に向けて大勝負がある人は、兎に角、勉強に集中して目の前の壁を乗り越える努力をしてください。一方で、進路は決まったという人。年末年始は、自分自身と向き合ってジャンプする、ブラッシュアップする大きなチャンスです。
ここで「ブラッシュアップ」という言葉を紹介します。英語の「brush up」からきており、「磨き上げる」、「改善する」という意味です。みなさんにとっては、高校生活で培ってきた自分をさらに成長させる努力のことを指します。
2学期、日々の授業を軸とした学習はもとより、みなさんをブラッシュアップさせる様々行事がありました。そしてそうした行事を受け身でこなしていくのではなく、自らジャンプして行こうとする鳩高生がいました。みんなです。スクール・カウンセラーの先生と共にコミュニケーション・スキルを学び、体育祭で自分の力を出し切ることを通して、自分の役割を果たすことに取り組み、焼き芋大会では学年全員で楽しみ、生徒会企画のレクリエーションではすべての生徒がプレイヤーとなり、ポートボール、モルックを通して汗を流しながらチームワークを育むなど、かけがえのない多くの経験を積みました。
そこで年末年始、ブラッシュアップした自分を振り返ってみましょう。一つ結論めいたことを言うと、人間は生涯、ブラッシュアップしていくものなのだと思います。そうした中で、高校生活の最終章にさしかかったみなさんは、ブラッシュアップした自分にさらに磨きをかけ、卒業までにどんなジャンプをしたいか?この「ジャンプ」とは、「挑戦・チャレンジ」を意味し、さらには「挑戦した結果の果実=ごほうび=成果」をも指します。
ジャンプして「こんな自分になって卒業式を迎えたい」そんなことを年末年始、自分自身と向き合って自分なりの目標を立ててほしいと思います。そしてそのジャンプには、日々、小さな結果が出るものもあるかもしれません。その際、結果としてうまくいかなかったとしても、自分を責めないことが大事です。とは、ある心療内科医の先生のアドバイスです。そして、むしろ挑戦しようとした努力を評価したいものです、と言っています。さらにうまくいかなかったことばかりを気にしていると挑戦できなくなる、と。続けて、たとえ失敗しても目標をもってチャレンジする人に幸運の女神は訪れるものだと言います。
話が少し散らかりましたのでまとめます。今回、テーマを「ジャンプして卒業するために」としました。それは、すべての鳩高生にジャンプしてほしいという強い願いからです。そしてジャンプして卒業した人は、卒業してからも果敢にジャンプし続ける人になれると思うからです。改めて年末年始、自分のどんな面を伸ばしたいのか?どんな自分になりたいのか?ジャンプするために自分自身と向き合ってみてください。応援しています。
追伸
次回、令和8年1月前半の応援メッセージは、令和8年1月8日(木)始業式の午後にアップします。このホームページで会いましょう!
校長室より「12月前半」の鳩高生への応援メッセージ
12月8日
~鳩高生にとっての12月8日~
こんにちは、校長の田中です。冷たく澄んだ早朝の青空に山々の稜線が美しく映え、街にはクリスマスキャロルが流れる師走を迎えました。あれほど暑かった今年の夏も、もう遠い過去のように感じます。
さて、今回のテーマは、「12月8日」としました。このテーマを選んだのは、ふと手にした太宰治の短編小説に『十二月八日』という作品があり、小説の内容とは全く関係ありませんが、この「12月8日」という日が、鳩高生にとってとても大事な日だからです。鳩高生にとっての「12月8日」は追って触れるとして、何かの縁あって私にこの小説を引き合わせてくれた太宰治の『十二月八日』について少し触れておきたいと思います。
太宰治の『十二月八日』は、タイトルとなっているその日の出来事を一人の女性の視点から描いた作品です。太宰治の作品を紐解いてみると、こうした女性に仮託した作品が実にたくさんありました。これを読んだ世の女性は、自分の気持ちと重ね合わせ、その視点、思いに共感。こころを鷲掴みにされた女性は、太宰に惚れてしまうのだそうです。これは本校に勤務する日本語支援員の先生から教えてもらいました。実際、太宰は私生活でだいぶ女性にモテたことはつとに有名です。
話しを元に戻し、「十二月八日」は昭和16年(1941年)、太平洋戦争が始まった日です。戦争に対する太宰自身の複雑な思いを語り手である主婦をとおして、その心理を描写しています。作品の中で語られる様々な思い、語りかけは、現代を生きる私たちに向けられた問いかもしれません。文庫本のサイズでいうと、ほんの15頁ほどの小説です。機会があれば是非、読んでみてください。
★★★
さて、鳩高生にとっての12月8日を論じましょう。あえて言わなくても十分承知のことと思います。そう、期末考査前日です。既に進路が決まった人も多いと思いますが、進路が決まることが、直ちに卒業には直結しません。みなさんが日々取り組んでいる「各教科に属する科目、特別活動及び総合的な探究の時間」は、教育基本法が示す「平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質」を育成する大切なものです。全力で臨んでください。明日、12月2日が考査一週間前となりますが、考査期間中、全力を尽くすことは当然です。したがって、その前にどれだけ準備できるかがみなさんを大きく成長させる鍵です。12月9日からの期末考査に向けてしっかり準備をしてください。
すでに本格的に考査モードに入っている人もいるかもしれませんが、限られた時間を効率よく勉強するために、「科学的に証明されたすごい習慣」の勉強編をいくつか紹介します。いくつかと言いながら皆さんに伝えたい情報がたくさんありました。一気に読んでもらうのが、この応援メッセージですが、以下は、何度かに分けて読むことをお勧めします。今現在の自分の気持ちや波長と合ったものを一つか二つ選んで読んで「やってみよう!」と思ったものにトライしてみてください。
① スマホを近くに置かない
「スマホがそばにあるだけで注意力が散漫になる」とテキサス大学の研究チームが報告しています。何も大学の研究結果を聞かなくてもそう思いまよね。だた科学的な研究結果でもそう証明されていることを受け止めましょう。そこで研究チームは「移動しなければ手に取れない場所にスマホを置く」ことを勧めています。
② 好きなことから勉強しはじめる
広島大学の調査で「自分の好きな内容から取り組めば、モチベーションがアップする」と報告されています。自分の好きな内容から取り組むことは、やる気を促進し、自らのモチベーションを上げるうえでもひと役かってくれるということです。
③「差し込み学習」をする
いろいろな問題をシャッフルした方が学習効果が高まる。こうした学習方法を「差し込み学習(インターリーブ学習)」と呼ぶようですが、カリフォルニア大学などの研究で「まとめて」学習するのと、「間隔をあけて」学習するのはどちらがより効果的に覚えるのかを比較する実験を行ったところ、間隔をあけて学習(連続ではなく別の学習をはさむ)する方が成績がよかったそうです。私たちは時として「集中して一つのことを学習した方がいい」と思ったりしますが、実際にはいろいろな問題をシャッフルして取り組んだ方が学習効果が高まるという研究結果です。
例として挙げると、△ 「社会 → 社会 → 社会 → 社会」よりも、〇「社会 → 漢字書き取り → 英語 → 数学」の方が学習効率が高まるということです。
④「誰かに教える」意識をもつ
「あとで人に教える意識をもつだけで成績がよくなった!」とは、ワシントン大学セントルイス校による研究報告です。「誰かに伝えたい、と思う気持ちが理解を深める」のだそうです。みなさんも経験があると思います。「実際に教える機会があるとさらに学習効果がアップ」するということです。引き続き、テスト前に勉強の時間をつくってもらった時は、是非、「教え合い」をすることを勧めます。
⑤ こまめに休息をとる
「覚えたことを脳に定着させる活動は休憩中に行われる」とは、アメリカの国立研究所の研究結果です。休憩を最大化させたものの一つが睡眠ですが、やはり、記憶は睡眠時間中に整理されることが報告されています。状況によっては最後の手段として徹夜もやむを得ない場合もあるかもしれません。しかし、しっかり睡眠をとることが記憶の定着、クリアーな思考力の発揮に欠かせないことは多くの研究が語っていることです。よく学び、よく寝る。大切です。
⑥ ボールを握って記憶する
「ボールを90秒間右手で握って暗記し、左手で握って思い出すと記憶効率が高まる」とはモンクレア州立大学の研究結果です。この解説は、少し紙面が必要になるため省略しますが、ためしてみる価値はありそうです。
⑦ 冷たいタオルで顔をふく
「集中力が切れたら冷たいタオルで顔をふく」とは、電力中央研究所ヒューマンファクター研究センターの実験でその効果が証明されました。集中して勉強して疲れたら「まぶたを閉じて休んでから冷たいタオルで顔をふく」と一層、効果があるそうです。これも聞いただけでそのような気はします。是非、効果的に休息をとって、冬休み前の大きな山を乗り越えましょう!
ここに挙げた勉強法(学習法)をすでに取り入れている、という人も少なからずいると思います。様々な方法を試すことをお勧めします。そのためにも一刻も早く準備して試行錯誤することも大切な経験です。みなさんの今後の人生にいろいろなかたちで生かされるものと信じています。応援しています。
追伸
次回、12月後半の応援メッセージは、12月15日(月)にアップします。このホームページで会いましょう!
校長室より「11月後半」の鳩高生への応援メッセージ
大谷翔平という奇跡
~イラってきたら負けだと思っている~
こんにちは、校長の田中です。11月14日(日本時間)、大谷翔平選手は、アメリカ・メジャーリーグで3年連続4度目のMVPを、またしても満票で獲得しました。その大谷選手のワールドシリーズでのエピソードを交えながら私たちが彼の姿勢から少しでも学び、日々の生活に取り入れることができれば、きっと人生を豊かにできるはずです。今回はそのヒントを深堀りしていきたいと思います。
大谷選手の心に響く名言の一つに「イラってきたら負けだと思っている」という言葉があります。その大谷翔平の活躍に魅かれてメジャーリーグ・ベースボールを毎日のように見るようになった人は相当な数にのぼると推測されます。私もその一人です。大谷選手は出来得る限りの準備をして日々、全力で試合に臨んでいますが、イラっときたり、投げ出したりしたくなるような場面は数えきれないほどあると思います。実際、故意かと思われるようなデットボールを当てられたり、度を過ぎたヤジを受けたり、その他諸々。それでも大谷は表情を変えなかったり、笑顔でことに対応したり、そのメンタルの強靭さは、私たち常人には真似のできない領域にいると感じます。仮にそうしたイラっとくることを何度も我慢したり、スルーしても、これが1か月、2か月と続いたら通常の人なら怒りが爆発したり、寝込んだり、心身の健康を維持するのが難しいと思います。
さて、大谷選手のメンタルの強さや人間性を象徴する、こんなエピソードをご存じでしょうか。世界一を決める大舞台、ワールドシリーズでの出来事です。ドジャースの対戦相手は、大リーグで唯一、カナダにホームを置く、トロント・ブルージェイズ。大谷にとっていわくつきの球団である。2年前、ドジャース入団が決まる前、「大谷がトロントに向かった」という情報が世界を駆け巡った。「大谷、ブルージェイズ入団か!?」と怪情報が駆け巡ったが、結果はドジャースを選んだ。この時の失意をブルージェイズ・ファンは忘れてはいなかった。「可愛さ余って憎さ百倍」、大谷へのラブコールは自分たちの期待を裏切った大谷憎し、へと変わった。
ワールドシリーズ第1戦。第4打席で2ラン・ホームランを放った。その後の9回に向かった第5打席の大谷に、スタジアムに詰めかけた4万人のブルージェイズ・ファンは「We don`t need you=お前なんていらない。大谷は必要ない」を大合唱!!プロの選手だからある程度のヤジには慣れてはいると思いますが、これは、なかなか強烈な出来事です。そして大谷がすごいのは出塁した時、1塁を守る、よきライバルのゲレーロ.Jrに「オレ、いらないってよ」と茶目っ気たっぷりに話しかけ、ゲレーロ.Jrも苦笑いを浮かべていたのが傑作でした。もう超越しています。中継するカメラは、こうした大谷やゲレーロ.Jrの表情など、一挙手一投足を追っています。これでまた愛すべき大谷の人柄が全世界に発信されました。これまた、すごい。「イラってきたら負けだと思っている」、貫徹です!
記者にこのことを聞かれた大谷は「家庭内ではトロントで言われたようなチャント(唱和)は言われないように努めたい」と冗談交じりに語った。
こうして大谷に注目が集まる中、また、シリーズが活況を帯びる中、他人を中傷するような残念な行為も見られました。ブルージェイズ・ファンの世界的ラッパーは、ワールドシリーズ第5戦終了後、大谷の三振の画像を自身のインスタグラムに投稿。大谷が空振り三振で崩れ落ちる写真と共に「(ピッチャーは)もうベンチに向かってるぜ」と記し、大谷を煽(あお)った。この後、このラッパーに特大ブーメランが襲い、大炎上。すっかり株を落としてしまったことは周知のとおりです。改めて人を誹謗したり、中傷したりするものではないですね。皆でこの教訓を胸に刻み、常に人への敬意を忘れずに行動しましょう。
さて鳩高生のみなさん!大谷翔平選手のマインド(=精神や心の状態、意識)を想像してみてください。私が想像するに、大谷選手は今の自分を取り巻く全てに感謝しているのだと思います。こうして自分が大好きな野球をやれることも、周囲の多くの人の支援があってやらせてもらっていると小さなことにも目を向けて感謝しているのだと思います。実際、いつも周囲に対する感謝の言葉を述べています。みなさんも今日、こうして学校に通うことができるのも保護者の方はじめ多くの方の支えがあることに改めて目を向けてみてください。前回の応援メッセージでも言いました。「感謝は人を強くし、より良い行動へと導く」力があります。感謝の気持ちを持つことで、「皆さんの努力はさらに実り多いものになる」と確信します。
鳩高生のみなさん、家族、クラスメイト、学年の仲間、先生方、事務室職員の方への感謝を忘れずに、周囲と切磋琢磨して学校生活を一層豊かなものとしていきましょう!応援しています。
追伸
次回、12月前半の応援メッセージは、12月1日(月)にアップします。このホームページで会いましょう!
校長室より「11月前半」の鳩高生への応援メッセージ
高校生活最終章を歩む鳩高生へ
~文化の日と勤労感謝の日に寄せて~
こんにちは、校長の田中です。今回は、青く澄み切った秋空の下、高校生活最終章真っただ中を歩む鳩高生に11月の二つの祝日である「文化の日」と「勤労感謝の日」の持つ意味を改めて考えることで、来し方行く末について考える機会とし、皆さんの歩みに心からエールを送ります。
さて、11月3日の「文化の日」は、「自由と平和を愛し、文化をすすめる」という趣旨のもと制定されました。ここでいう「文化」とは、音楽や絵画、文学といった芸術作品だけを指すのではありません。私たちが日々生きる中で培ってきた知識・技術・思想、そしてそこから生まれる多様な営みそのものが「文化」なのです。皆さんの高校生活を振り返ってみてください。国語の授業で小説や詩などの作品を題材に作者の心情に迫ったり、歴史の授業で過去の為政者たちの考えに触れたり、理科の授業で自然界の法則を解き明かしたり。これら一つ一つの学びは、先人たちが積み重ねてきた知の集積、すなわち「文化」そのものです。皆さんは、これらを吸収し、自分の血肉とすることで新たな視点や思考力を育んできました。それはまさに、皆さんの内なる「文化」を豊かにするプロセスだったと言えると思います。
11月3日の文化の日に関する鳩山町の取り組みを紹介します。この日、鳩山町では、同町文化会館ホールにおいて鳩山町意見発表会、「第11回 言ってんべー・聞いてんベー大会」が催されました。「少子高齢化・高度情報化・グローバル化が進む今日、あるテーマに基づき町民等が自分の意見を発表する機会を設けるとともに、さまざまな立場の人々の意見に耳を傾け、それぞれの意見の違いを互いに認め合う寛容な考え方を通して町民等の交流を図る」ことを趣旨としています。そしてこの発表会には、本校3年生2名が「鳩山の小さい子どもたちへ」と題して、発表者としてステージに立ち、立派に語りつくしました。文化の日が象徴する「自由」とは、まさに皆さんが自らの意志で未来を切り拓く自由であり、「平和」とは、その創造的な営みが安心して行える社会基盤を意味します。皆さんが、これまで高校生活で身に付けた知性、感性、そして人間力こそが、これからの社会をより豊かにしていく原動力となることを信じています。
そして、11月23日の「勤労感謝の日」は、「勤労をたつとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう」ことを趣旨としています。この日は、単に働いている大人たちに感謝する日ではありません。私たちが日々生きる上で享受しているあらゆるものが、誰かの勤労によって支えられていることに気づき、感謝する日なのです。皆さんの高校生活も多くの人々の「勤労」の上に成り立っていました。毎日の皆さんと顔を合わせている先生方、朝のSHRから授業、面談、学校行事等、日々まさに勤労に従事していました。そして皆さんが快適に学校生活を送れるよう、校舎の管理や事務作業にあたってくださった職員の方々がいました。普段、当たり前と思っていた日常は、学校だけでも大変多くの方々の勤労によって成り立っていました。そして、皆さんは大変立派です。なぜなら皆さんは、こうした縁の下の力持ち的な役割をしてくださっている方々にきちんと感謝の言葉を伝えることもできるからです。そうした皆さんの温かい心に、私は心から感謝しています。そして忘れてはならないのが、家族です。何よりも皆さんが安心して学業に専念できるよう、日々の生活を支え、精神的な支えとなってくれている家族への感謝を忘れないでください。
次に、皆さんの「勤労=努力」にも目を向けてみましょう。これまで皆さんは多くの人々の支えの中で、自分自身の「勤労」、すなわち日々の「努力」を積み重ねてきました。苦手な科目を克服しようと粘り強く勉強したこと、部活動で目標達成のために自分を追い込んだこと、文化祭や体育祭でクラスや学年全体を盛り上げるために準備段階からいろいろなところへ奔走したこと、これらすべてが皆さんの「勤労」であり、努力の証です。高校3年生の今、皆さんはこれまで以上に明確な目標に向かっています。すでに4月からの進路先が決まった人もいれば、これからが本番の人もいます。どんな道を選ぶにしても、そこには必ず「努力」が伴います。その努力、挑戦の過程で培われる忍耐力、課題解決能力、そして何よりも「やり抜く力」こそが、皆さんの未来を切り拓くかけがえのない財産となります。もちろんその「勤労」を支えてくれた、また、支えてくれている方々への感謝の気持ちを忘れないでください。感謝は人を強くし、より良い行動へと導く力があります。感謝の気持ちを持つことで、皆さんの努力はさらに実り多いものになると確信します。
鳩高生のみなさん、鳩山高校の正門から生徒玄関、階段、廊下、そして自分の机、・・・。普段、当たり前と思っているものにも感謝と愛情を注いで11月の歩みを進めて行きましょう!応援しています。
追伸
次回、11月後半の応援メッセージは、11月17日(月)にアップします。このホームページに集いましょう!。
校長室より「10月後半」の鳩高生への応援メッセージ
鳩山高校での高校生活、日々大切なものを習得しています!
こんにちは、校長の田中です。10月6日(月)、日本を元気にするニュースが飛び込んできました。2025年ノーベル賞、生理学・医学賞を坂口志文さん(大阪大学教授)が受賞。一日おいて10月8日(水)にはの北川進さん(京都大学教授)が化学賞を受賞。2賞で日本人が選ばれる快挙となりました。2賞同時受賞は大村智さん、梶田隆章さんが選ばれた2015年以来10年ぶりで、お二人の受賞のテーマはいずれも教科書に載るような分野の基礎を作った研究とのこと。受賞候補者として長年、名が挙げられており、待望の受賞となったようです。
こうしたニュースに触れながら鳩山高校の教育活動を振り返ってみました。入学当初から日々の学校生活をとおして「人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成」という教育基本法に掲げる取り組みが、生徒の大きな成長というかたちで実現しつつあると受け止めています。今回の応援メッセージは敢えて構成など気にせず、思いの向くままに書き綴ってみたいと思います。ということで徒然草ではありませんが、「心にうつりゆくよしなしごとを、そこはかとなく書きつくり」それでいてまとめは「あやしうこそものぐるほしけれ」とはならないものにしたいと思います。
さて、ノーベル賞受賞の話題から入りましたので、唐突ですが、鳩高生に質問です。日本初のノーベル賞受賞者は誰でしょうか?一般教養として知っておいて損はない知識です。少し時間があれば、出てきそうであれば、みなさんの知識の引き出しをあちこち探ってみてください。
何らかの解答を用意してから★★★以下を読んでもらえたらと思います。
★★★
「湯川秀樹」。はい、正解です。1949年、湯川秀樹はノーベル物理学賞を受賞しました。その内容は、「中間子理論」というものです。専門家の言葉を引用します。「この世に存在する全ては原子から成り立ち、その原子の真ん中にある原子核の中にプラスの電気を持つ陽子(ようし)と電気を持たない中性子が存在しています。そして、このプラスの陽子同士が何故結びつくのかが、研究者たちの長年の課題でした。そこで、湯川秀樹は中性子の中にマイナスの電気を持つ中間子の存在があって原子核を構成しているという発表をしたのです。」これが長年の課題を証明する根拠として認められ、ノーベル物理学賞、受賞に至ったのです。この湯川博士、相対性理論で有名なアインシュタインとも親交が深い方でした。天才同士、気が合うのでしょうね。驚くことに湯川博士は、理論物理学の大家であるだけでなく、思想家であり、歌人としてもその名が知られていたそうです。
湯川博士の著書、『目に見えないもの』(講談社学術文庫 1946年)は物理学者であると同時に、思想家、湯川秀樹を世に知らしめるものであったといいます。この著書の中で、次のように言っています。「教養とは、何らかの知識の習得を目指すことだが、その対象が何であるかよりも、知識の習得によって個々の知識を超えた何かを得て、それが自分自身の中に良い変化をもたらすところに主眼がある」と。学ぶことによって教養を深めることは、「目に見えない大きな宝物」を得るというわけです。余談ですが、福山雅治主演のガリレオ・シリーズ。福山雅治演じる天才物理学者の名前は「湯川先生」ですが、誰もがそう思うように当然のごとく、この天才物理学者の名前から拝借したわけですね。
ところで「目に見えないもの」の大切さを語った有名な台詞と言えば、サン・テグジュペリの『星の王子さま』だと思います。賢いキツネが王子さまに語った台詞を引用します。「それでは、大事な秘密を教えてあげよう。とても簡単なことさ。それはね、ものごとはハートで見なくちゃいけない、ってことなんだ。大切なことは、目に見えないからね」。また、王子さまは人が何かを愛するということは、自分がそのものに深く関わった結果であることを学びます。自分の星に咲いた見栄っ張りでわがままなバラの花の要求に応えてあげる、そのことが、いつの間にか自分の中に、そのバラへのかけがえのない愛情となって心の中に育っていることに気づきます。そして王子さまは言いました。「自分が愛する花のいる星は小さすぎて地球からは見えない。しかし、その花がどこかにあると思うからこそ、星空を美しいと感じるのだ」と。
湯川秀樹のいう目に見えないものとは、粒子のように小さくて目に見えないものから自分の中にもたらされた良い変化はじめ、幅広くあります。しかし、ここでは分かりやすく「自分の中にもたらされた良い変化」を湯川秀樹の「目に見えない大切なもの」としましょう。そして、サン・テグジュペリが教える「ハート(心の目)でみないとみえない大切なもの」を星の王子さまの「目に見えない大切なもの」としましょう。1年次、2年次で培った知的・経験的財産を踏まえて、今年度、鳩山高校で展開されている日々の授業、行事を通してクラス、学年の仲間、教職員、地域の方々と触れ合い、「自分中に良き変化」をもたらし、「心の目を養い」今日に至ったと感じています。つまり、みなさんは、鳩山高校での学校生活を通して日々大切なものを習得している、と胸を張ってよいと思います。
鳩高生のみなさん、引き続き、鳩山高校での一日一日を大切にして令和7年度・2025年度、第2学期の歩みを進めて行きましょう!応援しています。
次回は、11月前半の3連休明けの11月4日(火)にアップします。このホームページで会いましょう。
校長室より「10月前半」の鳩高生への応援メッセージ
鳩山高校はどんな学校?もちろん最高の学校です!
~「オアシスの老人」の話が意味するもの~
こんにちは、校長の田中です。令和7年度・2025年度も暦の上で折り返し地点にきました。とは言え2月から家庭研修に入ります。また、2年生までの3月後半の終業式ではなく、約2週間早い卒業式のひどりを考慮すると、ただの折り返しではありません。「一日一日を大切に!」、という言葉は使い古されてはいますが、一日一日、昨日の自分を超えるつもりで学校生活を送ってほしいと思っています。昨日の自分を超えると言っても、頑張ろうと肩に力を入れて四六時中、高い緊張感を保つような生活はNG(No Good)です。進路を決めるような面接試験に臨むときは、もちろん気力・知力・体力等、全集中して臨みますが、普段は肩の力を抜いて、何かにとらわれず、しなやかに学校生活を送ってほしいものです。その学校生活の場、鳩山高校は、生徒の皆さんにとって居心地のよい場所になっていますか?
日々のみなさんの様子をみて、みなさんの話を聞いて、そんな最高の学校になっていると受け止めています。そして、そう思えることが実は大変重要です。なぜ今の場所が心地よく、楽しく、自分の力を最大限発揮するにふさわしい場であると思えることが、重要なのか?それを考えるヒントになりそうな「オアシスの老人」という話を紹介します。
「2つの大きな町に挟(はさ)まれたオアシスに、一人の老人が座っていた。通りかかった男が老人に尋ねた。『これから隣の町に行くのですが、この先の町はどんな町ですか?』。老人はこれに答えずに聞いた。『今までいた町は、お前にとってどんな町だった?』。男はしかめっ面をして言う。『たちの悪い人間が多くて、汚い町ですよ。だから、隣の町に行ってみようと思ったんです』。老人はこう答えた。『お前がそうおもっているなら、隣の町も、たちの悪い人間が多い、汚い町だろうよ』
しばらくすると、さっきの男が来たのと同じ町から、別の男がやってきた。その男はさっきの男と同じように老人に尋ねた。『これから隣の町に行くのですが、この先の町はどんな町ですか?』。老人はこれに答えずに聞いた。『今までいた町は、お前にとってどんな町だった?』。
男はにこやかに答えた。『親切な人が多くて、きれいな町です』。老人はこれを聞いてこう言った。『なるほど。お前がそう思うなら、隣の町も親切な人が多い、きれいな町だよ』。」
この話の教えとして、2人の男は現実を見る姿勢や態度が違っている、という解説がされます。最初の男は現実の汚いところを見ている一方、2番目の男は現実のきれいなところを見ている、と。そういった意識は、物事をどのような姿勢や態度、立場でみているか、関わっているか、という人の数だけ存在します。そしてその物事にどのように関わっていくかも重要だと思います。特に現実の汚い状況を把握しているなら、それを改善するための何らかのアクションを起こしたのか?もちろん一人の力ではどうにもならないことの方が多いと思います。周囲に相談、問題提起して現状の改善に向けて何か一石を投じたのか?その有る無しは大きな違いがあると思います。
私はこんな風に考えています。今の置かれた場所が居心地が悪いのであれば、何か改善に向けて自分が信じるアクションをすべきだと思います。長い世界の歴史の中では、国が荒れて暴動が起こり、クーデターにより政権が倒れて、このままいると命の危険にさらされる、という国もありました。命の危険レベルの高さによっては頑張って何かアクション・行動を起こすこと自体が無謀な場合もあると思います。しかし、今の日本の状況の中で考えれば、様々な改善策、改善方法が考えられると思います。それでも一筋縄ではいかないとは思います。話が途轍(とてつ)もなく大きくなってしまいました。
土俵を学校生活に戻しましょう。一つ言えそうなことは、「オアシスの老人」が教えているように、今、所属しているところの居心地が悪いからと言って、場所を変えたら必ず改善するとは限らないということです。もしかしたらもっと過酷なところかもしれません。そして、再びそこから逃れようとするかもしれません。もちろんこのままでは心が壊れてしまう、というのであればむしろ積極的に場所を変える、逃れる、逃げるべきです。そうでないのであれば、まず、なすべきことは、カトリック修道女である故・渡辺和子さんの言う『置かれた場所で咲きなさい』です。これは、どんな状況でも自分のできることを精一杯努力すれば、必ず成長できるというメッセージです。
鳩高生のみなさんに伝えたいこと。それは、現在、かなり居心地のよい環境にあると思いますが、計画的に自分磨きをしてほしいと思います。鳩山高校在学中に様々な機会、場面で「自ら主体的に行動する人=プレイヤー」としての経験をたくさん積んでほしい、のです。この経験は、いついかなる場所でも『咲ける人』になる原動力となると思います。そして、どこに行ってもにこやかに『親切な人が多くて、きれいな町です』と言える人になると思います。
鳩高生のみなさん、肩の力を抜いて、大きく深呼吸をして、軽やかに、しなやかに、そして笑顔で令和7年度後半を駆け抜けて行きましょう!応援しています。
次回は、10月15日(水)にアップします。このホームページで会いましょう。
校長室より「9月後半」の鳩高生への応援メッセージ
「勉強」と「仕事」は、どこでつながるのか?
~『16歳の教科書』より~
こんにちは、校長の田中です。いよいよ就職希望者は本日から就職試験が始まります。これまで培ってきた全ての力を総動員して乗り越えて行ってほしいと思います。
さて、今回は進路選択を目の前に控えたみなさんにとって、毎日、取り組んでいる勉強と仕事は、どこでつながっているのか?ドラゴン桜、公式副読本である『16歳の教科書』に登場する各界のスペシャリストから学びたいと思いま す。まずは、奇跡のジャズシンガーと呼ばれる綾戸智恵(あやと ちえ)。綾戸さん曰(いわ)く、学校の勉強は、「心の体育」である。学校では頭を鍛えるんじゃなくて、心を鍛えているのよ、と。実際、高校を卒業したら、ほとんどと言ってよいくらいお目にかからない教科・科目の内容もあります。その意味では、確かに「心の体育」、仕事に向かう心を鍛えていると言えそうです。
続いて「渋滞学」を系統立てた西成活裕(にしなり かつひろ)。車や人が渋滞してしまうメカニズムを数学や物理の力で解き明かし、どうすれば渋滞を解消するか考えていこうという学問分野を切り開いた人です。西成さんは、学校の勉強で、「ん?なに言ってんだろう、これ?」って思ったとき、絶対に素通りしない。少しでも引っかかるところがあったら、どれだけ時間がかかっても、自分の力で解決する。キーワードは「なぜ?」。「なぜ」を自分自身に5回問え!』。なぜ、こうなのか?「Aだからだ」。なるほど。それではなぜ、Aなのか?「Bだからだ」。こうやって、「なぜ?」を5回くり返していく。引っかかった原因を、根っこの部分まで掘り起こしていく。もしも3回目の「なぜ?」で答えが詰まったとしたら、それは本質がわかっていない証拠である、と。本質がわかっていなければ、将来、使えないと言っています。続けて、たいていの人は1回の「なぜ?」で終わってしまう。5回くり返す習慣をつけてほしい。そして、この習慣は大人になってからも必ず役に立ちます、と。「なぜ?」を5回くり返すこと、是非、チャレンジしてみてください。一つ付け加えます。5回、深掘る最初の入り口、「ん?なに言ってんだろう、これ?」って思ったとき、絶対に素通りしない。少しでも引っかかるところがあったら、どれだけ時間がかかっても、自分の力で解決するように教えていますが、時間をかけて自分の力でひねり出せなかったら、また、ひねり出したものが自分として納得できる範囲になかったら、是非、身近な人に聞いてみてください。また、先生方に尋ねてみてください。これこそ、勉強を将来の仕事につなげる入口になると思います。
勉強と仕事はどこでつながるのか?もう一人。映画監督の李相日(リ・サンイル)。今年2025年、日本で社会現象となり、8月の時点で邦画(日本映画)実写史上2位の興行収入を記録している『国宝』を制作した監督です。日本の伝統芸能、歌舞伎を題材にした作品で、主演は吉沢亮(よしざわ りょう)。吉沢亮といえば、仮面ライダーフォーゼで少年たちのヒーローになってから、『キングダム』の実写版では秦の始皇帝役を演じ、2021年・令和3年にはNHK大河ドラマ『晴天を衝け』で日本資本主義の父と称され、現一万円紙幣の肖像となっている渋沢栄一を演じた今や日本を代表する俳優です。また、共に高めあうライバル役に今年のNHK大河ドラマ『べらぼう ~蔦重栄華乃夢噺~』主演の横浜流星が抜擢され熱演しています。
話を戻します。スポットを当てるのは、この映画『国宝』の李相日(リ・サンイル)監督。李相日さんは、今でこそ映画監督、それも功成り名を挙げた大映画監督ですが、高校生の頃は、映画監督になりたいと思ったこともなかったし、そもそも、ものすごい映画ファンというわけでもなかった。特別やりたいこともないまま、自分の将来について深く考えることもないまま、ぼんやりすごしていた、と言っています。それでも大学に入って就職のシーズンになるとのんきにもしていられず、一応、リクルート用スーツを買って、就職活動らしいものをやって終わった、といいます。併行して、「じゃあ、自分はなにがやりたいんだ?」そう自問自答したとき、かろうじて出てきた答えが“映画”だったそうです。それも積極的に「映画がやりたい!」と考えたというより、映画くらいしか思いつかなかった、という感じだったとのこと。でも、どうすれば映画の世界で働けるのかわからない。そこで、とりあえず映画の製作や配給をやっている会社に飛び込んでいって、アルバイトとして撮影現場に入れてもらったことが映画監督、李相日の第一歩でした。この『16歳の教科書』による特別講義は2009年の出版ですから、今から16~17年前の取材によるものです。
鳩高生、刮目(かつもく)せよ!鳩高生のみなさんに知っておいてほしいことは、映画『国宝』の監督、李相日(リ・サンイル)さんは、若いうちから衆にぬきんでて優れた映画エリートという訳ではなかったことです。たしかに30代はじめに、映画『フラガール』で日本アカデミー賞、最優秀作品賞、監督賞、脚本賞を受賞したということにおいては映画エリートとも言えそうですが、思い出してください。「自分は何がやりたいんだ」と自問自答した時、かろうじて出てきた“映画”というものを前にして、アルバイトから始めて、目の前のことに一つ一つ夢中で取り組んできた結果が、今日の李相日をつくったという事実を。
鳩高生よ!もう一度いいます。就職、進学はじめ自分の選んだ道。目の前のことに一つ一つ夢中になって取り組んでみてください。夢中になって取り組んだ先に、新たな扉があるはずです。そしてその扉は今現在、想像すらしていないものかもしれません。きっとみなさんを最高に輝かせる未来が待っています。応援しています!
次回は、10月1日(水)にアップします。このホームページで会いましょう。
校長室より「9月前半」の鳩高生への応援メッセージ
“プレイヤー”になろう!
鳩高生の皆さん、こんにちは。校長の田中です。高校生活最後の夏休み、充実した日々を過ごせましたか?本日から第2学期が始まり、始業式では「来し方・行く末」について話しをしました。
行く末、それも非常に近い、今日からの2学期にスポットをあててプレイヤーとなってほしいと思います。改めて“プレイヤー”とはどんな人のことか?この言葉の意味することを再確認します。プレイヤーとは文字通り、プレイする人のことです。では、何をプレイするか?それは「物事に主体的に取り組む人」を指します。学校生活で言えば授業にしても、行事にしても、与えられたものを受け取るだけではなく、自分から働きかけて自分の行動に前向きな意味を持たせる人のことです。
部活動を例にしてみましょう。部員はもちろんプレイヤーです。では、マネージャーはどうでしょうか?例えば野球部やサッカー部、バスケットボール部などのマネージャーは、プレイはしません。しかし、部員と一緒に勝利を目指して戦っているという意味では、プレイヤーです。そうです、私が皆さんに勧めるプレイヤーとは、部活動で言えばマネージャーも立派なプレイヤーです。こうした単に応援する人や傍観者ではなく、何かに主体的に関わって自分の役目を果たそうとする人のことです。もちろん応援する人も、その役割からするとプレイヤーと言ってよい人もいると思います。様々なプロスポーツ選手にとってそんな熱心な応援者がいるからこそ力を発揮できるという事実はあります。
こうした熱狂的な応援団も悪くはないのですが、高校生の皆さんは、是非、自分が主体的になって何かを成し遂げる経験をたくさん積んでほしいと思っています。なぜか?人は自分で苦労して何かを成し遂げたり、やり遂げた経験しか、いざという時に自分を助けてくれないからです。その取組は、結果的には成し遂げられなかったとしても本気で向き合って取り組んだ経験は、何ものにも代えがたい貴重な経験となって皆さんの内に少しづつ物質が沈殿するように蓄積していき、少し大袈裟かもしれませんが、皆さんの血肉となっていきます。そしてこの主体的に関わった経験、プレイヤーとして取り組んだ経験が多ければ多いほど、地層で言えば強固な岩盤になります。それと同じように皆さんの自信になっていきます。たくさん失敗してそこから立ち上がる経験であれば、“レジリエンス(精神的回復力、再起力、復元力など)”となります。成功したとか、失敗したとかを度外視してプレイヤーとして無数の挑戦を重ねた人であれば“根拠のない自信”というものになるかもしれません。
そして、できることなら避けたいかもしれませんが、失敗の経験は、もしかしたらかけがえのない財産かもしれません。「失敗は成功のもと」という諺(ことわざ)があります。失敗の原因を見直せば、いずれは成功につながるという意味です。もう少し丁寧にいうと、失敗すれば、その原因を反省し、方法や欠点を改めるのでかえってその後の成功につながることになる。失敗は成功の母ということです。
パナソニックホールディングを一代で築き、「経営の神様」と呼ばれた松下幸之助は、「失敗したところでやめるから失敗になる。成功するまで続ければ成功になる」と言っています。松下幸之助と言ってもピンとこないかもしれませんが、我々の大先輩で一つの時代を築いたといわれる人も多くの挑戦をして失敗を重ねてきたことが分かります。こうした話を受けて鳩高生全員へ向けた願いがあります。これまで話してきたように挑戦には失敗もつきものです。鳩山高校は、生徒一人一人が生き生きと自分の力を発揮できるステージ、挑戦ができる絶好の環境にあると言えます。入学から2年と半年、ここまで共に学校生活を送ってきた仲間です。ですから、この鳩山高校が生徒の皆さんにとって一層、挑戦しやすい、居心地のよい場所に高めていってほしいという願いです。「親しき仲にも礼儀あり」という周囲へのリスペクト、礼儀をわきまえた上で多くのことに挑戦してほしいのです。こうした挑戦が結果として自分の成長、仲間の成長となるような前向きな取り組みになっていくと思います。
誰もが主体的に取り組むことに優しく、誰かの失敗にも優しく、一層、安心・安全な鳩山高校として、生徒一人一人が主体的に取り組む、プレイヤーの集まりとなるように高めていってほしいと思っています。学校を挙げて応援しています。
次回の応援メッセージは、9月16日(火)にアップします。また、このホームページで会いましょう。
本校美術部が制作したアート作品が展示されている埼玉県平和資料館、戦後80年企画、開催中 ♪
本校美術部が制作したアート作品、多くの来館者の前で堂々と羽ばたいています!
今年(令和7年・2025年)は、終戦から80年を数えます。80年という節目の年であることから、歴史を扱う施設等で戦後80年と題する様々な企画が催されています。我が鳩山高校にほど近い埼玉県平和資料館(埼玉ピースミュージアム)でも戦後80年企画が開催中です。そして本校美術部が制作したアート作品が戦後80年企画、「はとに願いを」のメインとなる折り鳩アートとして展示されています。タテ約3.3㍍、ヨコ約4㍍という羽ばたく巨大なアート作品は、来館者に力強く恒久平和を語りかけているようです。そのアート作品がこれです。
現在、この戦後80年企画は、来館者の方にも「本アート作品を構成する折りバト」と同じものを折っていただく案内がされています。入館してすぐの案内窓口前、そして鳩山町内が一望できる展望塔(天気がよく澄み渡った日には東京スカイツリーも見えます!)にも「折り鶴アートに参加しよう!」の案内があります。
「折り鳩アートに参加しよう!」で来館者に折っていただいた鳩は、共に恒久平和が続く未来へと向かい、想いを語り継げるよう、スピンオフ的な作品に広がりつつあります。それが下記左側の写真です。来館者に協力していただき、折ってもらった鳩は、下記右側のメイン展示と共に新たな平和の象徴、新たなアートとなって広がっています。
鳩高生のみなさん、時間を作って埼玉県平和資料館に足を運んでみるのも夏のよき思い出になると思います!
★埼玉県平和資料館 = 埼玉ピースミュージアム
ところ 東松山市岩殿241-113 入館料 無料
開館時間 9:00~16:00(最終入館16:00) 休館日 毎週月曜日
バス・電車 東武東上線 高坂駅西口から川越観光バス 鳩山ニュータウン行きで8分
大東文化大学下車、徒歩5分