校長から

校長室より「1月後半」の鳩高生への応援メッセージ

百里を行くものは、九十をもって半ばとす

 鳩高生の皆さん、こんにちは。校長の田中です。1月8日に始まった3学期。2月から家庭研修となる皆さんにとって学習面での最後の山場を迎えます。これまでの貯金(!?)で逃げ切りを図るのではなく、最後まで目の前の勉強をしっかりやり切ってください。

 今回のテーマは、「百里を行くものは、九十をもって半ばとす」。中国の戦国時代の逸話をまとめた『戦国策』という書物に収められているものです。「百里(約400㎞)を行くものは、半分の五十里を文字通り半ばと考えるのではなく、九十里行ってから、やっと半分済んだ、と考えなさいという意味です。物事は、初めやさしく終わりは困難で、成し遂げる者が少ない、という意味もあります。と言うのも『戦国策』では、「これ末路の難を言ふ」と続いています。あと少し残った道に何が待ち構えているか分からない。それを乗り越えて初めてやり終えたことになる。最後まで気を抜かない、ということです。

 スタートが若干つまずいたとしても、「終わりよければ全てよし」という言葉もあります。百里のゴールに九十里を中間地点というこの戒めに加えて、さらにゴール近くに中間地点があると、その明晰な頭脳で示した人がいます。芥川龍之介です。

 芥川龍之介の著作に『侏儒の言葉』という随筆・警句集があります。この中に「天才」という項目があり以下のように書かれています。

天才とは僅(わず)かに我々と一歩を隔てたもののことである。ただこの一歩を理解するためには百里の半ばを九十九里とする超数学を知らなければならぬ。

  「九十」でもまだまだで、「九十九」で半ばとする考え。天才が示した根拠は数学です。99と100を数学的に比をとると2分の1となる。この超数学とは指数関数のことでした。数学が得意な人はもちろん、ちょっと苦手という人も是非トライしてみてください。

 さて、物事を最初から最後まで気を抜かず、手抜きもせずにやり通すことを「慎始敬終(しんしけいしゅう)」といいます。最後まで一生懸命やり通す、今の皆さんにぴったりの四字熟語だと思います。

 さらに、最後までやり遂げ、立派な成果をあげることを「有終(ゆうしゅう)の美を飾る」と言います。この1年間、多くの経験を積んできた皆さんにふさわしい美しい言葉だと思います。最高の3月を迎えるためにも、九十里にいる今こそ、もう一度、ギアを上げて最終コーナーを駆け抜けてほしいと思います。応援しています。

次回の応援メッセージは2月2日(月)にアップします。このホームページで会いましょう!