校長室より「10月前半」の鳩高生への応援メッセージ
鳩山高校はどんな学校?もちろん最高の学校です!
~「オアシスの老人」の話が意味するもの~
こんにちは、校長の田中です。令和7年度・2025年度も暦の上で折り返し地点にきました。とは言え2月から家庭研修に入ります。また、2年生までの3月後半の終業式ではなく、約2週間早い卒業式のひどりを考慮すると、ただの折り返しではありません。「一日一日を大切に!」、という言葉は使い古されてはいますが、一日一日、昨日の自分を超えるつもりで学校生活を送ってほしいと思っています。昨日の自分を超えると言っても、頑張ろうと肩に力を入れて四六時中、高い緊張感を保つような生活はNG(No Good)です。進路を決めるような面接試験に臨むときは、もちろん気力・知力・体力等、全集中して臨みますが、普段は肩の力を抜いて、何かにとらわれず、しなやかに学校生活を送ってほしいものです。その学校生活の場、鳩山高校は、生徒の皆さんにとって居心地のよい場所になっていますか?
日々のみなさんの様子をみて、みなさんの話を聞いて、そんな最高の学校になっていると受け止めています。そして、そう思えることが実は大変重要です。なぜ今の場所が心地よく、楽しく、自分の力を最大限発揮するにふさわしい場であると思えることが、重要なのか?それを考えるヒントになりそうな「オアシスの老人」という話を紹介します。
「2つの大きな町に挟(はさ)まれたオアシスに、一人の老人が座っていた。通りかかった男が老人に尋ねた。『これから隣の町に行くのですが、この先の町はどんな町ですか?』。老人はこれに答えずに聞いた。『今までいた町は、お前にとってどんな町だった?』。男はしかめっ面をして言う。『たちの悪い人間が多くて、汚い町ですよ。だから、隣の町に行ってみようと思ったんです』。老人はこう答えた。『お前がそうおもっているなら、隣の町も、たちの悪い人間が多い、汚い町だろうよ』
しばらくすると、さっきの男が来たのと同じ町から、別の男がやってきた。その男はさっきの男と同じように老人に尋ねた。『これから隣の町に行くのですが、この先の町はどんな町ですか?』。老人はこれに答えずに聞いた。『今までいた町は、お前にとってどんな町だった?』。
男はにこやかに答えた。『親切な人が多くて、きれいな町です』。老人はこれを聞いてこう言った。『なるほど。お前がそう思うなら、隣の町も親切な人が多い、きれいな町だよ』。」
この話の教えとして、2人の男は現実を見る姿勢や態度が違っている、という解説がされます。最初の男は現実の汚いところを見ている一方、2番目の男は現実のきれいなところを見ている、と。そういった意識は、物事をどのような姿勢や態度、立場でみているか、関わっているか、という人の数だけ存在します。そしてその物事にどのように関わっていくかも重要だと思います。特に現実の汚い状況を把握しているなら、それを改善するための何らかのアクションを起こしたのか?もちろん一人の力ではどうにもならないことの方が多いと思います。周囲に相談、問題提起して現状の改善に向けて何か一石を投じたのか?その有る無しは大きな違いがあると思います。
私はこんな風に考えています。今の置かれた場所が居心地が悪いのであれば、何か改善に向けて自分が信じるアクションをすべきだと思います。長い世界の歴史の中では、国が荒れて暴動が起こり、クーデターにより政権が倒れて、このままいると命の危険にさらされる、という国もありました。命の危険レベルの高さによっては頑張って何かアクション・行動を起こすこと自体が無謀な場合もあると思います。しかし、今の日本の状況の中で考えれば、様々な改善策、改善方法が考えられると思います。それでも一筋縄ではいかないとは思います。話が途轍(とてつ)もなく大きくなってしまいました。
土俵を学校生活に戻しましょう。一つ言えそうなことは、「オアシスの老人」が教えているように、今、所属しているところの居心地が悪いからと言って、場所を変えたら必ず改善するとは限らないということです。もしかしたらもっと過酷なところかもしれません。そして、再びそこから逃れようとするかもしれません。もちろんこのままでは心が壊れてしまう、というのであればむしろ積極的に場所を変える、逃れる、逃げるべきです。そうでないのであれば、まず、なすべきことは、カトリック修道女である故・渡辺和子さんの言う『置かれた場所で咲きなさい』です。これは、どんな状況でも自分のできることを精一杯努力すれば、必ず成長できるというメッセージです。
鳩高生のみなさんに伝えたいこと。それは、現在、かなり居心地のよい環境にあると思いますが、計画的に自分磨きをしてほしいと思います。鳩山高校在学中に様々な機会、場面で「自ら主体的に行動する人=プレイヤー」としての経験をたくさん積んでほしい、のです。この経験は、いついかなる場所でも『咲ける人』になる原動力となると思います。そして、どこに行ってもにこやかに『親切な人が多くて、きれいな町です』と言える人になると思います。
鳩高生のみなさん、肩の力を抜いて、大きく深呼吸をして、軽やかに、しなやかに、そして笑顔で令和7年度後半を駆け抜けて行きましょう!応援しています。
次回は、10月15日(水)にアップします。このホームページで会いましょう。