2025年7月の記事一覧
校長室より「7月後半」の鳩高生への応援メッセージ
「樽の中のワイン」の話
~ 一人一人の力を結集して、学校の力を高めよう!~
鳩高生のみなさん、こんにちは。校長の田中です。
先週末、うれしいニュースが飛び込んできました。本校美術部が、埼玉ピースミュージアム(埼玉県平和資料館、東松山市岩殿241-113)の戦後80年企画、「はとに願いを」のメインとなる展示物の制作を担当したことを伝えるニュースです。制作したタテ約3.3㍍、ヨコ約4㍍に及ぶ大きな鳩は、鳩山町、東松山市などの小中高、特別支援学校の児童・生徒が作った約3000の折りハトを大きなキャンバスに結集させた作品です。実物を目の前にすると息をのむほどの見事な作品と言ってよいと思います。埼玉ピースミュージアムは入館料、無料です。是非、足を運んでもらえたらと思います。美術部のみなさん、立派です!お疲れ様でした。
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さて今回は、ヨーロッパを舞台にした昔話で、「樽の中のワインが水になった」話です。何十年も村のためにつくした長老が故郷に帰ることになりました。そこで村人たちは感謝の気持ちとして何かプレゼントをしようと話し合い、皆でワインを一瓶(ひとビン)ずつ持ち寄り、“樽一杯”のワインを贈ることにしました。さっそく村の広場に大きな樽を置いて、村人それぞれがワインを持ち寄って、みんなで樽一杯にしました。
いよいよ長老が故郷に帰る日になりました。大きな樽のワインに長老は、たいそう喜びました。長老は集まってくれた皆で乾杯しようと、このワインを一杯ずつ飲むことにしました。しかし、どうしたことだろう。樽から注がれた液体はまったくワインの味がしない。まるで水のようだった。長老へのプレゼントを企画した者たちは長老の手前、戸惑い、恥じ入った。その場は、突き刺すような静寂が支配した。
しばらくして隅にいた一人の村人が立ち上がって言った。「実は・・・、私はワインを入れませんでした。みんながワインを入れるだろうから私の一瓶分くらい水を入れたって誰にも分からないだろう、そう思ってしまったのです」。すると間髪入れず、別の男が立ち上がった。「実はおれも同じことを・・・」。その後、次々と「私もです」、「俺もです」と言いだし、とうとう村人全員が同じことをしていたことが分かった。
この話から私たちが学ぶべき教訓は、「自分一人くらい・・・しなくたって・・・」が広がると集団・組織は、崩壊(ほうかい)してしまうということです。鳩高生のみなさん、今日、明日はZOOMを使ってオンライン形式で学ぶ機会があります。普段の顔を突き合わせている授業とは違い、「自分ひとりくらい、・・・」という気持ちがどこかにありませんか?今一度、自分を振り返ってみてください。オンライン形式だからこそ、集中して臨まないと“置いてけぼり”をくってしまうかもしれません。「自分ひとりくらい・・・」という気持ちは誰でも持つものかもしれません。逆を言えば、何かの折、もし、「自分ひとりくらい・・・」と考えたなら、同じようなことを考えている人がたくさんいる、と考えた方がよいでしょう。私たちにとって注意すべき教訓です。
村人たちの話に戻ります。仮に「自分ひとりくらい・・・」という気持ちが頭をよぎったとしても、村人一人ひとりが、「もしかしたら『自分くらい…』、と考える人がいるかもしれないけど、自分は皆で決めたルールを貫き、ワインを入れよう!」と考えたら結果は大きく違っていたのではないかと思います。鳩高生のみなさん、そんなみなさんであってください。鳩高生、一人一人の力を結集して、鳩高の力を一層、高めよう!
間もなく夏休みを迎えます。暑い夏が予想されます。「今日一日くらい・・・」いいか、という日があって全然よし、と思いますが、これが何日も連続すると危険信号です。40日など、あっという間に終わります。もっと大袈裟(おおげさ)にいうと「人生とは、『一日くらい・・・』という今日の積み重ね」だと思います。9月1日、透き通るような笑顔で登校できるよう今日から、今から、この時間を大切に過ごしてください。
次回の応援メッセージは8月1日(金)にアップします。このホームページで会いましょう!
校長室より「7月前半」の鳩高生への応援メッセージ
前を向こう、人を信じよう、希望を見出そう!
~「鬼滅の刃」が7/17まで、日をおいて全七夜、特別放送されています ~
鳩高生のみなさん、こんにちは。校長の田中です。1学期を締めくくる7月になりました。今回は、数年前、日本中を席巻した「鬼滅の刃(きめつのやいば)」が再び光を放っている現状を受け、そのクライマックスを使って、みなさんにエールを送りたいと思います。
ところで鬼滅の刃、空前の大ヒットの理由はなんだったのだろうか。かなり刺激的なストーリーはもとより、大正時代というちょっとレトロな時代設定による人の描かれ方などに魅かれたり、主人公の竈門炭治郎(かまど たんじろう)をはじめとする魅力と個性あふれるキャラクターに子どもから大人まで皆、心を奪われてしまった、ということではないでしょうか。いわゆるカッコいい絵から一転してコミカルな絵に変わるシーンが随所に散りばめられています。これに小さな子どもたちは夢中になっていました。
さて、第一話。山を奥へ中へと入った地に住む竈門家。悲しいシーンは省く。竈門炭治郎は、鬼と化し狂暴化しつつある妹の禰豆子(ねずこ)を背負って走る!山を降りて禰豆子を街医者に救ってもらおうとは雪のふる山道を必死で走る。街まで気が遠くなるほど距離があるというのに力つきそうな自分。体と気持ちがちぐはぐで背負った禰豆子が背中から抜け落ちてしまう。そんな2人に俊敏な動きの一人の男が近づく。鬼殺隊(きさつたい:世にはびこる人食い鬼から人々を守ってきた鬼狩りの剣士の組織)の柱(はしら:鬼殺隊の最高位に位置付けられた実力者の総称。9名いる。)の一人、冨岡義勇(とみおか ぎゆう)である。冨岡は炭治郎と共にいる鬼と化した禰豆子に出くわし、それを捕らえ、今、まさに殺さんとしている。自分すらことの次第をよく理解しきれていない中、必死に訳を話す炭治郎に冷たく言い放つ。「簡単な話しだ。傷口に鬼の血を浴びたから鬼になった。人喰い鬼はそうやって増える。」斧という武器を持つも冨岡との力の差は歴然。正座して涙ながらに命乞いする炭治郎に「親兄弟だろうが、鬼を守るなどもってほか」、冷えた目でことを見守っていた冨岡が感情をあらわにする。「生殺与奪の権(せいさつよだつのけん)を他人に握らせるな!みじめったらしく、うずくまるのはやめよ。(中略)怒れ(おこれ)!許せないという強く純粋な怒(いか)りは手足を動かすための揺るぎない原動力となる。・・・」そう言いながら冨岡は禰豆子に刀を突き付ける。
「やめろー!」炭治郎は足元にあった石を握りしめて冨岡に向けて力一杯、投げる。間合いを保って走りながら木の陰から石を投げる。次の瞬間、冨岡に襲いかかった。「感情に任せた単純な攻撃、愚か!」と冨岡は刀の柄(つか)で炭治郎の背中を一撃。気絶した炭治郎が斧を持っていないことに気づいた富岡。はっと顔を上げるとクルクルと回転して勢いのついた斧が冨岡の頭をかすめて背にした大木に突き刺さった。瞬時に頭を傾けなかったら冨岡を亡き者にしていた。
冨岡義勇はつぶやく。「木の陰に隠れる直前、こちらに石を投げ、と同時に上へ斧を投げた。丸腰であることを悟られないように振りかぶった態勢で手元を隠す。俺に勝てないことが分かっていたからだ。自分が切られた後に俺を倒そうとした!こいつは・・・。」凄すぎる。第一話のハイライトシーンと言ってよいと思う。こんなことが出来る筈(はず)がない、とおそらく私の前頭前皮質(ぜんとうぜんひしつ:前頭前野とも。複雑な認知行動の計画、適切な社会的行動の調節に関わっているとされている。)では理解しているのだろうが、いや、この若き隊士、炭治郎なら…できるかも!?沼(ぬま)った。改めて鬼滅の刃が大ヒットした理由の一つは、様々なシーンに凄いと感じたのは私だけではなかったどころか、膨大な数の人々がその凄さに魅せられてしまったからだと思う。
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7/17の第七夜は、柱稽古「柱結集編」とのこと。まだ先は長く、興味の尽きない物語は更に深まっていきます。そして、ここからは最終回のクライマックスのネタバレになることをご容赦ください。今回のタイトルに迫りましょう。
全ての人喰い鬼をまとめる頭領の鬼舞辻無残(きぶつじむざん)は、束になって襲いかかってくる柱を核とした鬼殺隊の攻撃に苦戦し、鬼の唯一と言ってよい弱点、陽の光によって肉体が滅びる寸前に物語はクライマックスを迎えます。ところで、この鬼の親分、鬼舞辻無残。普段は人間の姿をして妻と子ども、家族をもってよき父親を演じて生活しています。普段から悪魔のような姿をしていれば人を喰う鬼と分かりやすいのですが、その鬼舞辻無残は、なびいた髪に色白のイケメンという設定が鬼滅の刃のファン層を広げたことは想像に難くありません。
不死身で無敵を誇った鬼舞辻無残は、自分が滅びゆくことは止められないことを悟り、竈門炭治郎の肉体に無残の永遠で不滅の想いを託し、炭治郎を最強の鬼にしようとします。炭治郎はスターウォーズ的に言えば、ダークサイドに侵されつつも、人間らしい心を取り戻そうと自分自身と必死に戦っています。人間らしい心と鬼の心をさまよう炭治郎に鬼舞辻無残が語りかけます。「前を向くな、人を信じるな、希望を見出すな」と。今回の応援メッセージのタイトルは、今際の際(いまわのきわ)の鬼舞辻無残の渾身(こんしん)の言葉を真逆にしたものです。
「前を向こう!人を信じよう!希望を見出だそう!」
何か勇気が湧いてくる言葉ではないでしょうか。「前を向こう」。そう、どんな時も前を向いて事に対しましょう。「人を信じよう」は、後ほどにします。そして、「希望を見出そう」。みなさんが目標としたり、憧れとしている人のほとんどは、自分の選んだ道に希望を見出し、努力を続けた人だと思います。みなさんも日々の小さなことから進路実現という大きな目標まで「希望を見出して」努力し続けてほしいと思います。
最後に「人を信じよう」について。基本、人、クラスメイトや同級生を信じましょう。ただ、昨今、注意が必要です。人を信じたがゆえに詐欺にあってしまうことがしばしば報道されています。特殊詐欺の「受け子(うけこ)、出し子(だしこ)」などがその例です。確信犯もいますが、法に触れるとは知らず、信じたがゆえに犯罪に巻き込まれる被害が後を絶ちません。詐欺は、ほんの一例です。人を信じつつ、同時に十分、人を見極めましょう。その際、一人では判断できないことが多いと思います。家族、友人、先生等、周囲の人のアドバイス、助けを借りてください。生活をしていくうえで安心・安全が絶対です。自分を大切にして日々、自分を高めていきましょう。応援しています。さあ、全集中して7月の学校生活を充実したものにするとともに学校生活を楽しもう!
★ 次回の応援メッセージは、7月15日(火)にアップします。このホームページで会いましょう!