2025年10月の記事一覧
校長室より「10月後半」の鳩高生への応援メッセージ
鳩山高校での高校生活、日々大切なものを習得しています!
こんにちは、校長の田中です。10月6日(月)、日本を元気にするニュースが飛び込んできました。2025年ノーベル賞、生理学・医学賞を坂口志文さん(大阪大学教授)が受賞。一日おいて10月8日(水)にはの北川進さん(京都大学教授)が化学賞を受賞。2賞で日本人が選ばれる快挙となりました。2賞同時受賞は大村智さん、梶田隆章さんが選ばれた2015年以来10年ぶりで、お二人の受賞のテーマはいずれも教科書に載るような分野の基礎を作った研究とのこと。受賞候補者として長年、名が挙げられており、待望の受賞となったようです。
こうしたニュースに触れながら鳩山高校の教育活動を振り返ってみました。入学当初から日々の学校生活をとおして「人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成」という教育基本法に掲げる取り組みが、生徒の大きな成長というかたちで実現しつつあると受け止めています。今回の応援メッセージは敢えて構成など気にせず、思いの向くままに書き綴ってみたいと思います。ということで徒然草ではありませんが、「心にうつりゆくよしなしごとを、そこはかとなく書きつくり」それでいてまとめは「あやしうこそものぐるほしけれ」とはならないものにしたいと思います。
さて、ノーベル賞受賞の話題から入りましたので、唐突ですが、鳩高生に質問です。日本初のノーベル賞受賞者は誰でしょうか?一般教養として知っておいて損はない知識です。少し時間があれば、出てきそうであれば、みなさんの知識の引き出しをあちこち探ってみてください。
何らかの解答を用意してから★★★以下を読んでもらえたらと思います。
★★★
「湯川秀樹」。はい、正解です。1949年、湯川秀樹はノーベル物理学賞を受賞しました。その内容は、「中間子理論」というものです。専門家の言葉を引用します。「この世に存在する全ては原子から成り立ち、その原子の真ん中にある原子核の中にプラスの電気を持つ陽子(ようし)と電気を持たない中性子が存在しています。そして、このプラスの陽子同士が何故結びつくのかが、研究者たちの長年の課題でした。そこで、湯川秀樹は中性子の中にマイナスの電気を持つ中間子の存在があって原子核を構成しているという発表をしたのです。」これが長年の課題を証明する根拠として認められ、ノーベル物理学賞、受賞に至ったのです。この湯川博士、相対性理論で有名なアインシュタインとも親交が深い方でした。天才同士、気が合うのでしょうね。驚くことに湯川博士は、理論物理学の大家であるだけでなく、思想家であり、歌人としてもその名が知られていたそうです。
湯川博士の著書、『目に見えないもの』(講談社学術文庫 1946年)は物理学者であると同時に、思想家、湯川秀樹を世に知らしめるものであったといいます。この著書の中で、次のように言っています。「教養とは、何らかの知識の習得を目指すことだが、その対象が何であるかよりも、知識の習得によって個々の知識を超えた何かを得て、それが自分自身の中に良い変化をもたらすところに主眼がある」と。学ぶことによって教養を深めることは、「目に見えない大きな宝物」を得るというわけです。余談ですが、福山雅治主演のガリレオ・シリーズ。福山雅治演じる天才物理学者の名前は「湯川先生」ですが、誰もがそう思うように当然のごとく、この天才物理学者の名前から拝借したわけですね。
ところで「目に見えないもの」の大切さを語った有名な台詞と言えば、サン・テグジュペリの『星の王子さま』だと思います。賢いキツネが王子さまに語った台詞を引用します。「それでは、大事な秘密を教えてあげよう。とても簡単なことさ。それはね、ものごとはハートで見なくちゃいけない、ってことなんだ。大切なことは、目に見えないからね」。また、王子さまは人が何かを愛するということは、自分がそのものに深く関わった結果であることを学びます。自分の星に咲いた見栄っ張りでわがままなバラの花の要求に応えてあげる、そのことが、いつの間にか自分の中に、そのバラへのかけがえのない愛情となって心の中に育っていることに気づきます。そして王子さまは言いました。「自分が愛する花のいる星は小さすぎて地球からは見えない。しかし、その花がどこかにあると思うからこそ、星空を美しいと感じるのだ」と。
湯川秀樹のいう目に見えないものとは、粒子のように小さくて目に見えないものから自分の中にもたらされた良い変化はじめ、幅広くあります。しかし、ここでは分かりやすく「自分の中にもたらされた良い変化」を湯川秀樹の「目に見えない大切なもの」としましょう。そして、サン・テグジュペリが教える「ハート(心の目)でみないとみえない大切なもの」を星の王子さまの「目に見えない大切なもの」としましょう。1年次、2年次で培った知的・経験的財産を踏まえて、今年度、鳩山高校で展開されている日々の授業、行事を通してクラス、学年の仲間、教職員、地域の方々と触れ合い、「自分中に良き変化」をもたらし、「心の目を養い」今日に至ったと感じています。つまり、みなさんは、鳩山高校での学校生活を通して日々大切なものを習得している、と胸を張ってよいと思います。
鳩高生のみなさん、引き続き、鳩山高校での一日一日を大切にして令和7年度・2025年度、第2学期の歩みを進めて行きましょう!応援しています。
次回は、11月前半の3連休明けの11月4日(火)にアップします。このホームページで会いましょう。
校長室より「10月前半」の鳩高生への応援メッセージ
鳩山高校はどんな学校?もちろん最高の学校です!
~「オアシスの老人」の話が意味するもの~
こんにちは、校長の田中です。令和7年度・2025年度も暦の上で折り返し地点にきました。とは言え2月から家庭研修に入ります。また、2年生までの3月後半の終業式ではなく、約2週間早い卒業式のひどりを考慮すると、ただの折り返しではありません。「一日一日を大切に!」、という言葉は使い古されてはいますが、一日一日、昨日の自分を超えるつもりで学校生活を送ってほしいと思っています。昨日の自分を超えると言っても、頑張ろうと肩に力を入れて四六時中、高い緊張感を保つような生活はNG(No Good)です。進路を決めるような面接試験に臨むときは、もちろん気力・知力・体力等、全集中して臨みますが、普段は肩の力を抜いて、何かにとらわれず、しなやかに学校生活を送ってほしいものです。その学校生活の場、鳩山高校は、生徒の皆さんにとって居心地のよい場所になっていますか?
日々のみなさんの様子をみて、みなさんの話を聞いて、そんな最高の学校になっていると受け止めています。そして、そう思えることが実は大変重要です。なぜ今の場所が心地よく、楽しく、自分の力を最大限発揮するにふさわしい場であると思えることが、重要なのか?それを考えるヒントになりそうな「オアシスの老人」という話を紹介します。
「2つの大きな町に挟(はさ)まれたオアシスに、一人の老人が座っていた。通りかかった男が老人に尋ねた。『これから隣の町に行くのですが、この先の町はどんな町ですか?』。老人はこれに答えずに聞いた。『今までいた町は、お前にとってどんな町だった?』。男はしかめっ面をして言う。『たちの悪い人間が多くて、汚い町ですよ。だから、隣の町に行ってみようと思ったんです』。老人はこう答えた。『お前がそうおもっているなら、隣の町も、たちの悪い人間が多い、汚い町だろうよ』
しばらくすると、さっきの男が来たのと同じ町から、別の男がやってきた。その男はさっきの男と同じように老人に尋ねた。『これから隣の町に行くのですが、この先の町はどんな町ですか?』。老人はこれに答えずに聞いた。『今までいた町は、お前にとってどんな町だった?』。
男はにこやかに答えた。『親切な人が多くて、きれいな町です』。老人はこれを聞いてこう言った。『なるほど。お前がそう思うなら、隣の町も親切な人が多い、きれいな町だよ』。」
この話の教えとして、2人の男は現実を見る姿勢や態度が違っている、という解説がされます。最初の男は現実の汚いところを見ている一方、2番目の男は現実のきれいなところを見ている、と。そういった意識は、物事をどのような姿勢や態度、立場でみているか、関わっているか、という人の数だけ存在します。そしてその物事にどのように関わっていくかも重要だと思います。特に現実の汚い状況を把握しているなら、それを改善するための何らかのアクションを起こしたのか?もちろん一人の力ではどうにもならないことの方が多いと思います。周囲に相談、問題提起して現状の改善に向けて何か一石を投じたのか?その有る無しは大きな違いがあると思います。
私はこんな風に考えています。今の置かれた場所が居心地が悪いのであれば、何か改善に向けて自分が信じるアクションをすべきだと思います。長い世界の歴史の中では、国が荒れて暴動が起こり、クーデターにより政権が倒れて、このままいると命の危険にさらされる、という国もありました。命の危険レベルの高さによっては頑張って何かアクション・行動を起こすこと自体が無謀な場合もあると思います。しかし、今の日本の状況の中で考えれば、様々な改善策、改善方法が考えられると思います。それでも一筋縄ではいかないとは思います。話が途轍(とてつ)もなく大きくなってしまいました。
土俵を学校生活に戻しましょう。一つ言えそうなことは、「オアシスの老人」が教えているように、今、所属しているところの居心地が悪いからと言って、場所を変えたら必ず改善するとは限らないということです。もしかしたらもっと過酷なところかもしれません。そして、再びそこから逃れようとするかもしれません。もちろんこのままでは心が壊れてしまう、というのであればむしろ積極的に場所を変える、逃れる、逃げるべきです。そうでないのであれば、まず、なすべきことは、カトリック修道女である故・渡辺和子さんの言う『置かれた場所で咲きなさい』です。これは、どんな状況でも自分のできることを精一杯努力すれば、必ず成長できるというメッセージです。
鳩高生のみなさんに伝えたいこと。それは、現在、かなり居心地のよい環境にあると思いますが、計画的に自分磨きをしてほしいと思います。鳩山高校在学中に様々な機会、場面で「自ら主体的に行動する人=プレイヤー」としての経験をたくさん積んでほしい、のです。この経験は、いついかなる場所でも『咲ける人』になる原動力となると思います。そして、どこに行ってもにこやかに『親切な人が多くて、きれいな町です』と言える人になると思います。
鳩高生のみなさん、肩の力を抜いて、大きく深呼吸をして、軽やかに、しなやかに、そして笑顔で令和7年度後半を駆け抜けて行きましょう!応援しています。
次回は、10月15日(水)にアップします。このホームページで会いましょう。